脳脊髄液減少症の日記

主に闘病記、時々趣味。脳脊髄液減少症、線維筋痛症、慢性疲労症候群について

脳脊髄液減少症と体位性頻脈症候群の鑑別について

大変興味深い記事がありました。

先ずは先日の新聞記事をご覧下さい。

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両者の鑑別は医師の間でも難しいと言われています。

一般的な小児科などではいわゆる起立性調節障害の方がポピュラーですから、脳脊髄液減少症なのに起立性調節障害の診断が下ることが少なくありません。

また、逆に起立性調節障害なのに脳脊髄液減少症の専門医に行ったため、脳脊髄液減少症の診断が下ったケースもあります。

 

「じゃあ何を信じたらいいのか?」

と思われる方も多いと思います。

この記事に書かれている通りの鑑別方法が有効なのかもしれませんが、以下のことも付け加えるとより鑑別に役立ちます。

 

起立直後に起こるゲキ頭痛の鑑別法

脳脊髄液減少症でも起立直後から強い頭痛が起こるケースもあります。

これは髄液の漏れる量と関係していると考えます。

髄液が多量に漏れている場合脳が一気に下がるため起立直後に頭痛が起こる。

髄液が少量ずつ漏れている場合時間差で、ある閾値まで髄液量が減少した時から起立性頭痛が起こるという関係です。

 

髄液が多量に漏れている場合は、おそらく激しい外傷や腰椎穿刺の検査など、これがきっかけじゃないかという発症理由があることが多いです。(突発性で漏れることも勿論ある)

その多量に漏れている場合は単純CTやMRIでも脳下垂所見がはっきりと見受けられたり、

脳脊髄液減少症の検査であるCTミエロやRIシンチではっきりと漏出所見が見受けられます。

脳脊髄液減少症で行うRIシンチの残存率が極端に少なかったりも参考所見となりますが、まず起立直後のゲキ頭痛が起こるほどの髄液漏出は大抵画像に写ります。

 

一方、起立性調節障害の起立直後に起こる激しい頭痛の場合、髄液多量漏出所見が単純CTやMRIでは見受けられないです。脳下垂も起こりません。CTミエロやRIシンチでももちろん異常は見受けられないです。

 

脳脊髄液減少症の専門医に「はっきりとした漏出所見は無いが、起立直後に頭痛があるから脳脊髄液減少症で間違いない」と言われた場合、具体的にどういうCT、MRI所見があるからなのか、またRIシンチの残存率がどれぐらいだからなのか、そう判断する理由をしっかりと聞き出すことが最も患者側の姿勢として重要です。