脳脊髄液減少症の治療法 1-4
こんにちは!
雨が続いていてしんどいですね。
今日は脳脊髄液減少症の治療法について書きたいと思います。
1.ブラッドパッチ
これが一番オーソドックスな治療法です。
方法は、脳脊髄液減少症の方はもちろんご存知だと思いますが、自分の血液を硬膜が破れて髄液が漏れているところに注入し、髄液漏をせき止める方法です。(詳しく言うと血液で緩い癒着をおこさせ、薄いメッシュ状のフィブリン膜を重ねていき堰き止める)
1回では根治が難しく、2〜3回はやる事が多いです。
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血液が漏れている部分に当たれば、根本的に髄液漏をせき止めることができる。
今のところこの治療が一番オーソドックス。
ちゃんと診断できる病院だとリスクが少ない。
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血が薄い人は固まりにくいため、髄液が漏れ続ける。
やり過ぎると線維筋痛症や、半身不随などの後遺症。5回くらいまでが限度と言われています。
それを超えると後遺症のリスクが格段に上がる事を恐れてそれ以上やらない方針の先生が多い印象。
髄液漏がなく、髄液が減少している場合のみでは効果が少ないのと、ブラッドパッチ以外の方法を第一選択して様子観察もありかと。(安静臥床で2週間点滴、生食パッチ、人工髄液など)
2〜3回ブラッドパッチが効果的といっても、闇雲にやるのでは意味がなく、漏れている箇所にピンポイントで血液のメッシュを重ねる事が大切
2.生食パッチ
ブラッドパッチの腰から生食を入れるバージョン。硬膜外へ生食を注入
生食を注射器で硬膜外に注入し、生食の圧で脳を押し上げて症状を一時的に改善させる。
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ブラッドパッチに比べてリスクが少ないと言われている。
失敗しても生食なので変な癒着は起こらない。
症状が軽かったりだとまれに生食のみで治ることもある。
10年とかいう長いペースで生食して治った人の話を聞いた(線維筋痛症の人はブラッドパッチで痛みが悪化するため、ブラッドパッチは避けて生食するんだとか)
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根治が難しい。髄液が大量に漏れている場合、根本的には髄液漏をせき止める糊の役割にはならない
効果の持続性に乏しい。早い人で1時間、遅い人で1週間で効果が切れることも。
3.硬膜外持続注入
生食パッチの持続版。
輸液ポンプにカテーテルをつなげ、腰から時間量15-20cc位を継続して1週間ほど入れ続け効果を見るもの。
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ただの生食パッチよりかは持続性があるため、髄液漏や減少症があれば効果を感じやすい。
他、生食パッチと同じ
★カテーテルを1週間ほど入れ続けているので、感染リスクが高い。衛生面に気を付けましょう!最善の注意を払って行うと良い。
他、生食パッチと同じ
4.人工髄液
くも膜下空に注射器で人工髄液を入れ、脳を押し上げて症状を改善させる方法
髄液圧を測りながら注入する。
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髄液漏がなく、減少症のみの場合に行うと効果がある。ブラッドパッチで穴は塞がったがなかなか髄液が増えない人に行う。
硬膜内に入れるため生食パッチよりかは持続性がある。3〜4ヶ月持つ人もいる。
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髄液漏れがある状態で入れると、その穴から入れた髄液が抜けていく⬅しかしこのお陰で髄液漏れに気づけ結果よかったケースもある
漏れがある状態で人工髄液を入れると漏れ穴が圧で広がる事がある
硬膜内に入れるので、腰椎穿刺でさらなる漏れができる。結果余計に悪くなる人もごく稀にいる。